日本人の美意識の集約
―余白についての考え―
あらゆる装飾や彩色を排除し、最小限に抑えた筆遣いで余白を意識して描き、観る者が考えを巡らせることのできる余地を残す。そのため画面の描かれていない空間が、神秘的な雰囲気漂う余韻を創り出していく。
Eliminating all decorations and coloring, he paints with minimal brushstrokes and is conscious of the blank spaces, leaving room for the viewer to reflect on his thoughts. As a result, the empty space on the screen creates a mysterious atmosphere that lingers.
水墨画は筆に含ませる墨と水の配分によって、濃淡・滲み・かすれ・線の太さや強弱をコントロールするが、余白を主役とするために、不要なものを引き算して構成する。
さらに日本人の美意識として、花鳥風月を愛でる感覚、季節の移り変わりや時間の流れの意識、その二つが重なり合った空間にこそ、美しい情景を想像を好む感覚が表現されている。